6月4日(土)
今日はミュンヘン・フィルの特別演奏会。お昼すぎに、すこし強めの雨が降ったので、傘をもっていこうかどうしようか、すこし悩んだが、18時ごろには青空がのぞいた。なんだか毎日のようにガスタイクに出かけている。だいたい、トラムで10分というのがまずい。それに、ずっとミュンヘンにいるわけじゃないんだから、いけるうちにいっておかなきゃね。 曲目は、 R. Strauss・・・・・"Tod und Verklaerung" R. Strauss・・・・・"Till Eulenspiegels lustige Streiche" J. Brahms・・・・・Symphonie Nr. 1 c-Moll op. 68 で、指揮は、Ch. ティーレマン。 今日は、なんとなくオケの様子がちがう。出だしから気合を感じて、思わず、居住まいを正した。 《ティル》は躍動感にあふれた演奏。テンポの揺れが曲想にぴったり合っていて、知らない間に、引き込まれてしまった。実に生き生きとしている。オケも、悪戯者にぴったりの、お茶目な音を出す。後半の盛りあがる箇所で、某金管が音をはずした(ヨーロッパのオケで金管が音をはずすのをはじめて聞いた)が、そんな失敗なんかどうでもよいと思わせる好演。 後半のブラームスは圧巻。どっしりとしていて、ティーレマンの面目躍如といったところか。第1楽章がおわったところで、拍手が湧き起こったのも肯ける熱演。ただ熱いだけではなく、入念さも感じさせらた、周到にして熱い演奏。 個人的には第2楽章がいちばん気に入った。弱音のなんと美しかったこと。単に音がちいさいのではなく、エネルギーの充実した弱音。なのに、繊細にして感じやすい響き。オスカー・ベッカー Oskar Becker の「美のはかなさ Hinfaelligkeit des Schoenen 」という言葉を思い出した。 終楽章も、力強い響き。弦の合奏の美しさには呆然とした。先日のベートーヴェンとちがって、ヴァイオリン、チェロ、コントラバスが重層的に聴こえる。管楽器もふくめ、音が大きくなっても、決して濁らない。 ティーレマンも機嫌をよくしたのだろう。めずらしくアンコールを演奏。ベートーヴェンの《エグモント序曲》。のりにのったオケのアンコール、もう、「すばらしい」という言葉しか出てこない。
by kalos1974
| 2005-06-04 23:27
| 演奏会
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