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かけがえのないオーケストラ

2005年6月25日(土)
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19時30分から、楽友協会大ホールで、ウィーン・フィルの演奏会。指揮は、メータ。実は2年まえの3月に、この組み合わせで、ベートーヴェンの《交響曲第3番》を聴いたときに、いたく失望した(前半のシューベルト《交響曲第5番》がとても瑞々しい演奏だったので、期待しすぎたのかもしれない)し、メータはバイエルン国立歌劇場の音楽総監督なので、「またメータか」などと、かなり失礼な感想をもったのも事実。でも、チケットがとれたのは有り難いこと。もちろん、よろこんで参上した。

それにしても、このホールはほんとうに美しい(響きは、チューリヒのトーンハレのほうがよいかもしれない)。1993年(? の3月にはじめてここでウィーン・フィルを聴いたとき(プレヴィンの指揮で、モーツァルトとマーラーだった。ソプラノ独唱はマクネアー)には、とにかく興奮してしまって、どんな演奏だったかも覚えていないが、私も30をすぎて、ひねくれてきたのだろうか、割りと落ち着いて演奏会にのぞめるようになった。
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当夜のプログラムは、
A. Webern; Sechs Orchesterstuecke
L. v. Beethoven; Konzert fuer Violine und Orchester
R. Strauss; Also sprach Zarathustra
で、ヴァイオリンは、 M. Vengerov 。

ベートーヴェンの協奏曲は、ヴェンゲーロフの自己主張が目立った。非常に輝かしい音色で軽々と弾いてみたり、とてもゆっくりと情感をこめてみたりするのだが、私には、やや「くさい」演奏に思えた。一方のウィーン・フィルは、まさに王道。小賢しいところは一切なく、まるで、ヴェンゲーロフに、「ベートーヴェンはこう演奏するんだよ」と教えているようだった。

後半の《ツァラトゥストラ》も、ウィーン・フィルの実力が遺憾なく発揮されたもの。どうして、このオケの響きは、あんなに素晴らしいんだろう。わが、バイエルン放送交響楽団に、ちょっぴりメランコリックな風情と洒脱さがくわわった感じ。絹織物のような光沢というか、シャンパンのような色合いというか、とにかく惹きつけられる響き。軽々としていているのに、同時に、とてもとても深い音を出す。しかも、当夜は、あの大曲を、まるで室内楽のように演奏した。各パートがお互いの演奏を聴きながら、瞬時に、いままさにもとめられている音色を奏でるのだ。もうなにもいうことはない。ウィーン・フィルの実演に接することのできた「有り難さ」をかみしめるのみ。
by kalos1974 | 2005-06-25 21:11 | 演奏会
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