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お家芸

5月29日(日)

お昼すぎ、日本人留学生と食事。私と同じく、ミュンヘンで音楽会に通いまくっている人なので、話題に困らない。

それにしても、今日も暑かった。美術館に寄ってからオペラにいこうと思っていたが、大汗をかいたので、一度部屋にもどって、シャワーをあびて着替える。ちなみに、16時の気温33度。

今日の演目は《タンホイザー》。指揮は ズービン・メータ。

バイエルン国立歌劇場で上演されるヴァーグナーの悪かろうはずがない。《トリスタンとイゾルデ》、《ニュルベルクのマイスタージンガー》、《ワルキューレ》などは、たしか、ここで初演されているはず。ヴァーグナー作品の演奏は、いわば「お家芸」である。

今日の演奏、タンホイザー(R. Gambill)、ヴォルフラム(M. Gantner)、それにエリーザベト(C. Nylund)がとくによかった。なかでも、 Nylund は、代役として急遽歌うことになったらしいのに、まるで不安を感じさせなかった。声にもうすこし透明感があったほうが、エリーザベトにふさわしいんじゃないかなと思ったのは初めだけで、次第に、引き込まれていった。ほかには、ヴェーヌス(W. Meier)の妖艶な雰囲気も忘れがたい。
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オーケストラも合唱もほんとうにすばらしい(合唱にふれるのは、篠の風さんへのお世辞とうけとられかねませんが、正直、手放しで賞賛しています)。

あえて難をいえば、ヴォルフラムがすこし巧すぎたかな。それに、なんとなく明るかったかも。
ヴォルフラムが目立つと、どうしても、タンホイザーがかすんでしまう。エリーザベトはタンホイザーの歌に惚れ込んだわけだけれど、ヴォルフラムが見事だと、「エリーザベトはなぜヴォルフラムに恋しなかったんだ?」などと思ってしまう。

タンホイザーは充分すぎるほど聴きごたえがあった。必要以上に耳がキンキンすることもなく、歌詞がきちんと聴き取れた。ただ、歌合戦の場面で、もうすこし「いや、お前らのいってることはちがうんだ!」という熱意がほしかったし、ヴェーヌスとエリーザベトのあいだで引き裂かれている苦しみが、やはり、もうすこしだけ、現れるとよかったかな。演出も「苦悩するタンホイザー」を強調していたようだし。でも、あれこれいうのは贅沢というもの。

肩透かしというか、期待どおりでなかったのは、ヘルマン役のクルト・モル。どことなく調子が出ていない感じがした。この暑さで、体調を崩されているのだろうか・・・。私にとっては、バイエルン国立歌劇場の要のような人なので、すこし心配だ。


<追記>
篠の風さんのブログによると、クルト・モルは病後だったそうです。以前《魔笛》を聴いたとき、ザラストロが登場してから、舞台が引き締まるという場面に遭遇しました。それ以来、私は、クルト・モルのファンなので、一日もはやい回復を祈らずにはいられません。
by kalos1974 | 2005-05-29 23:35 | オペラ
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