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円熟のブレンデル

5月28日(土)

午後5時の気温が30度・・・。勘弁してほしい。でも、日本とちがって、湿度が低いので、日陰に入ると涼しいし、部屋にいても、窓を開けていれば、クーラーは要らない。

なので、なるべく日に当たらないようにして、ガスタイクまでいってきた。

今日は、ミュンヘン・フィルの定期演奏会。プログラムは、オール・ベートーヴェン。《エグモント序曲》、《ピアノ協奏曲第5番》、《交響曲第5番》。なにやら、クラシック中毒になりかけた中学生の組んだプログラムのようだが、ティーレマンの意気込みが伝わってくる。

後半の《運命》を聴きながら、オーケストラの音が変わったなあと思った。たしか2年前に、レヴァインの指揮でこの曲を聴いたときも、たしかに、力強い、筋肉質な響きだったが、今日は、それに、荒々しさが加わった感じ。
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この暑さのせいか、ティーレマン以下、楽団員は上着なしで演奏。シャツの白が目にまぶしい。若武者たちが勇猛果敢に突進していくようだ。

演奏は、燃焼系というのかな、とにかくものすごい盛り上がり方。ただ、悪くいえば、やや勢いにまかせた粗野な印象も。弦の分厚い響きが、他の楽器を塗りこめて、うねりまくる。
ティーレマンは、いつもにもまして、弱音の緊張感を強調することによって、オケの咆哮を際立たせようとしていたような気がする。だが、素人にそう思われてしまうほど、あからさまなのはどうなんだろう・・・。

前半の《皇帝》、ピアノはブレンデル。理知的にすぎるという印象をもっていたが、とくに第2楽章は、情感たっぷり。悟性 Verstand と感性の見事な調和。ときに、祈りというか、宗教的な境地さえ開かれた。一音もおろそかにしない巨匠の演奏。他の聴衆もそう感じたのだろう。立ち上がって熱烈な拍手を贈る人がたくさんいた。よたよた歩くブレンデル爺が、かけがえのない藝術家に思えた。
by kalos1974 | 2005-05-28 23:40 | 演奏会
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