5月26日(木)
ミュンヘンの聴衆が熱狂するのを、ひさしぶりに見た! いつもだって、この歌劇場は、最高水準の演奏を聴かせてくれるのだが、やはり、大物歌手が登場すると、場が引き締まるし、聴衆も固唾を呑んで聴き入る。 実は、1月15日に、ウィーン国立歌劇場で、《ドン・ジョヴァンニ》を聴いた。オザワがどんなモーツァルトを演奏するのか興味があって訪れたのだけれど、最大の衝撃は、グルベローヴァのドンナ・アンナだった。配役を見ていなかったので、しばらく、「異様に存在感のあるドンナ・アンナだなあ」と思いながら聴いていた。周りの歌手が完全に色あせている。巧すぎる。目立ちすぎる。途中で、やっと、グルベローヴァだと気づいた。私以外の観客は、おそらく、グルベローヴァ目当てで来ていたのだろう。ドンナ・アンナが歌いおわるたびに、みんな、ものすごい拍手を贈っていた。 今日も、それとおなじことがおこった。グルベローヴァのすごいこと、すごいこと。エリザベッタは、主役みたいなものだから、遠慮は要らない。最初のアリアだけ、すこし不安定な感じがしたが、あとはもう独壇場・・・。まったく自由自在に声をコントロールしてしまう。弱音はとても素直に響いてくるし、あの涼やかに力強い歌声といったら。なんどか、圧倒されて、身じろぎひとつできなかった。ツボにはまりすぎ。「まいりました・・・」というしかない。 サラ役の J. Piland 、ロベルト役の R. Aronica 、このふたりも、よくのびる声で、すばらしい歌を聴かせてくれた。立派にグルベローヴァの脇を固めていたと思う。 演出は、すっきりしていて、歌手の邪魔をしないもの。恋人がやってきたと聞いたエリザベッタが、あわててお化粧をなおすなんてシーンは、ほほえましかった。
by kalos1974
| 2005-05-26 23:47
| オペラ
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