人気ブログランキング | 話題のタグを見る

キャバレー「天空」

5月17日(火)

ミュンヘンは、ドイツでもっとも頻繁に、バロック・オペラの上演される町らしい。日本ではなかなか聴く機会がないので、急遽、カヴァッリの《カリスト》にいってきた。ちなみに、カヴァッリは、モンテヴェルディのつぎの世代の作曲家。

演奏は、前半、歌手がいまひとつ歌いきれていない気がしたが、そこはヨーロッパ三大歌劇場のひとつ、休憩のあとは、立派にもちなおしていた。オケと合唱は、危なげなし。
キャバレー「天空」_e0021850_23591620.jpg
問題は演出かなあ。最近は、現代風にアレンジしたものが多いけど、今日のもそう(舞台はキャバレー「天空」?)。背広を着たマーキュリーや、ワンピースで女装したゼウス・・・。しかも、なんとか笑いをとろうとして、妙に観客に媚びているのが見え見え。

たぶん、昔の作品が現代にも通用することを証明したいというか、作品から普遍的な問題をとりだしたいのだろうが、やはり違和感がある。どうしても、神話のもつ崇高な面が削られ、卑近になってしまうのだ。

今日の上演はその点をよく弁えていたのだろう。痛切な感情が歌いあげられる場面では、背景がくらくなり、歌手にだけ光があたっていた。

と、ここまで書いて思った。あのキャバレーをおもわせる演出のお蔭で、ゼウスやカリストの情愛が、くっきりと浮かびあがったのではないか。そうかもしれない。しかし、「しかけ」が多すぎたせいで、やはり、散漫な舞台だった印象は否めない。普遍的な事柄を描くのに、下手な小細工はいらないのではないか。
by kalos1974 | 2005-05-17 23:57 | オペラ
<< 知らなかった・・・ 休講 >>