人気ブログランキング | 話題のタグを見る

思索するベートーヴェン

5月14日(土)

思索するベートーヴェン_e0021850_54187.jpg
われながら呆れるが、雨のなか、今日も演奏会にいってきた・・・。ティーレマン指揮、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団。曲目は、ベートーヴェンの《ヴァイオリン協奏曲》とR.シュトラウスの《アルプス交響曲》。

R.シュトラウスは、ミュンヘンで生まれ、近郊の(というには、すこし離れているか・・・)ガルミッシュ=パルテンキルヘンを好んだ人。だから、ミュンヘンっ子にとって、R.シュトラウスは、いわば自分たちの作曲家といってよいだろう。それに、《アルプス交響曲》のような盛大な曲は、ミュンヘン・フィルの得意とするところ。なので、まあ、予想どおりの快演でした。

驚いたのは、前半のベートーヴェンのほう。

ティーレマンは、巨匠趣味というか懐古趣味というか、妙に構えた演奏をする人だと思う。いってみれば、いまはなき巨匠たちのような演奏をめざしているのだが、その試みは、これまでのところ、あまりうまくいっていなかった。オケの響きも、低弦を強調してみたり、金管に思いっきり輝かしい音を出させてみたりするけれど、私には、単に音の大きな演奏、派手な演奏にしか聴こえなかった。

それが、今日の《ヴァイオリン協奏曲》は、1つ1つの音をかみしめる丁寧な演奏。まるで、哲学者が、思索にふけりながら、歩いているかのよう。非常にゆっくりしたスピードなのに、弛緩した感じはまったくない。一部、いかにも芝居がかった表現はあったものの、まあ、許容範囲。繊細かつ骨太なベートーヴェンを堪能させてもらった。

ソリストは、Leonidas Kavakos。はじめて聞く名前だが、これまた、思索的な演奏をする人。そうかと思うと、ロマンティックな感情の高まりや、なんとも切ない思いも、見事に弾きこなす。私が知らなかっただけで、実力者にちがいない。
思索するベートーヴェン_e0021850_0328.jpg
舞台上にめずらしい楽器(?)「サンダーマシン Donnerblech / Donnermaschine 」がありました。金属の板をゆすって、雷の音を出します。
by kalos1974 | 2005-05-14 00:01 | 演奏会
<< 休講 《サウル》 >>