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センチメンタルな強さ

10月30日(日)

TV はいつものようにつまらないし、クラシック音楽をかける気分でもなかったので、ひさしぶりに、エディット・ピアフ Edith Paif の CD を聴いた。

《あなたの目より青い Plus bleu que tes yeux》では、「あなたの目より青いものはない。あなたの髪より黄金に輝くものなんてない」と歌う。

真実はちがうとわかっていながら、愛する人以外を見ることができない。そんな一途な思いを、ピアフは、伸びやかに、そして繊細に、不安そうに歌いあげていく。

マルセル・セルダン Marcel Cerdan の死をきっかけとして生まれたといわれる《愛の賛歌 Hymne a l'amour》。

「あなたがのぞむなら、髪をブロンドにしてもいい、月をとりにいってもいい、財宝を盗んでもいい、祖国を捨ててもいい、友だちを捨ててもいい、嗤われたって平気、なんでもしてみせる」。

儚さや危うさも感じさせるが、やはり、一途な思いにみちている。怖いくらいの一途さが、強さとなって、棘のように刺さってくる。

ピアフは、女のかわいらしさから強さまでを、これ以上なく、切実に歌いきっている。そこには、なんの隠しごともない。歌に、自分のすべてがぶつけられている。赤裸々すぎて、たじろぐくらい。ここまで歌える人がいたんだ。

ふだんは、クラシックばかり聴いているけど、今日は、ひさしぶりに、「他の分野の音楽も聴かないと勿体ない」とおもった。
by kalos1974 | 2005-11-01 15:59 | 日記
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