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カラヤンとヒルトン

11月5日(土)

ふじさんによると、私はカラヤン嫌いらしいが、本人は、そうでもないとおもっている。

実家には、カラヤンのレコードが何枚かあったし、自分で最初に買った CD は、カラヤンの指揮するベートーヴェンだった。クラシックを聴きはじめた多くの人がそうであるように、私も、一時、カラヤンの CD ばかり集めていたこともある。しかし、いろんな人の演奏を聴きくらべるうちに、だんだん、カラヤンから離れていった。

もちろん、演奏のレヴェルが低いわけではない。ただ、とくにドイツ語圏の作曲家の交響曲などを聴くときに、「カラヤンでなければ」とおもわなくなっただけ。

そんなカラヤン、私のなかでは、なぜかヒルトン・ホテルと重なる。世界中どこにでもあるところが、どんな曲でも録音したカラヤンに似ているからだろうか。

ヒルトンといえば、それなりにステイタスがある。一流ホテルとして認知されているかもしれない。実際、とりあえずヒルトンに泊まれば、まず、不愉快なおもいはしないだろう。

しかし、どこのヒルトンに泊まっても、雰囲気はみなおなじ。最初のうちは安心するが、そのうち、つまらなくなってくる。いろんなホテルを利用するようになると、ヒルトンでは物足りなくなってくるのだ。

たとえば、シンポジウムかなにかで、大阪にだれか招くとして、私なら、ヒルトンを用意するだろうか? たぶん、伝統や格式を好む相手にはリーガロイヤル、明るく快適な客室を重視する人にはウェスティン、ブランド志向の先生にはリッツ・カールトンをえらぶだろう。

もしお金がたくさんあって、どこにでも泊まれるとしたら、ヒルトン・グループのホテルを利用するだろうか? 私はミーハーなので、ロンドンなら、クラリッジズやランガムに泊まってみたい。パリだと、ジョルジュ・サンクかル・ブリストル。ウィーンなら、シュヴァルツェンベルクやコーブルクかな。ヒルトンとおなじようにチェーンを展開しているグループでも、フォーシーズンズやウェスティン、インターコンチネタルのほうを優先したくなる。あるいは、ペンションに長期滞在というのもいい。

とはいえ、ヒルトンにもいろいろある。ここではヒルトンに泊まりたいとおもう町もある。まったく知らない土地にヒルトンがあると安心したりもする。

カラヤンもおなじ。ある種の曲はカラヤンで聴きたい。これはカラヤンがいいなあとおもう曲もある。けれども、そういう作品が、私の場合、なぜか、多くないのだ。嫌いというより、関心をうしなってしまったといったほうが正確かもしれない。


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by kalos1974 | 2005-11-05 17:04 | 毒(いいたい放題)
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