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《ファウスト》

7月27日(水)

19時から、グノーの《ファウスト》。

おもな配役は、
Faust ・・・・・ R. Villazón
Mephistooheres ・・・・・ P. Burschladze
Margarete ・・・・・ A. Arteta
Valentin ・・・・・ M. Gantner
Siébel ・・・・・ D. Sindram
で、指揮は、 Fr. Haider 、演出は、 D. Pountney 。

今日は、とても歌手にめぐまれた公演だった。うえに挙げた5人、みな、申し分なし。風格のある悪魔、一徹な軍人、人のよい若者。それぞれが、役柄にあった歌唱を披露していた。とりわけ、 Arteta は、愛らしく、清らか。もうすこしだけ声に透明さがあれば、なにもいうことはない。でも、繊細な弱音がよく聴こえてくるし、大きな声も絶叫にならない。「トゥーレの王」について歌うあたりから、輝きもましてきた。Villazón は、前半、声が伸びてこない箇所もあったけれど、第三幕からは、艶のある声で、若々しいファウスト。いちばんたくさん拍手をもらっていた。このふたりの二重唱、ほんとうに、とろけるように素晴らしかった。

ゲーテの『ファウスト』は、だれもが名作という世界文学の金字塔。しかし、白状すると、このお話のよさが、いまひとつわからない。もちろん言葉の問題もあるけど、飽くなき前進とか自我の追究とかいったテーマについていけない。今日も、ファウストが「彼女の子どもをなくしたかわいそうなマルガレーテ」というのにすこし腹が立った。「私たちの子ども」というべきではないのかと・・・。

休憩のあと、第三幕のはじまるまえに、指揮者に対して、「ブー! 」が飛んだ。それに対して「ブラボー! 」のかけ声も。両者入り乱れたせいで、はじまりかけた演奏が中断。こういうシーンにはじめて接した。
《ファウスト》_e0021850_5382076.jpg
ひとつわからなかったのは、演出。なぜ、音楽を中断してまで、人形劇を挿入する必要があったのだろう。線路をつかったセットも秀逸とはいえないにしても、人形劇のようにオペラの邪魔をするものではなかった。カーテンコールでも、人形つかいたちに、さかんな「ブー」が飛んでいた。気の毒ではあるけど、やはり、蛇足だったのではないか。
by kalos1974 | 2005-07-28 08:41 | オペラ
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