8月6日(土)
20時から、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会。 この演奏会にきたいちばんの理由は、会場のフェルゼンライトシューレ Felsenreitschule を見たかったから、といったら怒られるだろうか・・・。2001年だったか、祝祭大劇場のガイド・ツアーに参加したときに見学させてもらえなかったので、どんなところかずっと気になっていた。 当夜のプログラムは、 F. Schreker: Vorspiel zu einer großen Oper für großes Orchester L. v. Beethoven: >Ah! perfido< G. Mahler: Symphonie Nr. 4 で、指揮は D. Gatti 、ソプラノは K. Mattila 。 後半のマーラー、またしても、ウィーン・フィルの響きに酔ってしまった。実に洒脱。弦がかなり大げさに泣くさまは、ホイリゲの音楽のよう。けれど、下卑たところはまったくない。ここまで大胆に演歌調の演奏ができるのは、やはり、マーラーを知り尽くしているという自信があるからだろう。わがバイエルン放送交響楽団の評価がウィーン・フィルより下だとすれば、それは、――伝統やブランド力といったことは別にして――羽目をはずした演奏がなかなかできない点にあるかもしれない。バイエルン放送交響楽団は、燃えるときも、生真面目なんですよね。ウィーンとミュンヘンは電車で4時間半ほどの距離なのに、かなり気質がちがう(日本だって、東京と大阪では、ずいぶんちがいますね)。 ガッティーの指揮は、小気味よいテンポで軽快。よく歌うウィーン・フィルと相俟って、マーラーの「お伽話」のような側面というか、牧歌的な面を、あざやかに描いていく。ただ、第三楽章から、テンポを落としたのが裏目に出て、後半、やや弛緩した演奏になってしまった。ソプラノの Mattila は、前半のベートーヴェンでは、力の入りすぎた歌いかたにおもえたが、マーラーでは、語りかけるような歌唱を聴かせてくれて、満足。 演奏終了後、フェルゼンライトシューレの舞台附近を探索。「ほんとうに岩山をくりぬいてるんだなあ」などと感心しながら、写真を撮ったりしていたら、係員に「はやく出てください」といわれてしまった。どうやら、私がいちばん最後までのこっていたみたい。かなり恥ずかしかった。それにしても、カメラが見つからないと、せっかく撮った写真が見られない・・・。
by kalos1974
| 2005-08-10 01:37
| 演奏会
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